第3例目の乳幼児を羽田空港まで無事に搬送しました。JCCNとして拠点病院、史上初の搬送です。

人道的立場から、事業の対象としている小児ではなく、国内で開発された体外式補助人工心臓(VAD)を装着した成人男性を対象として、救急航空医療搬送の試験運航第5例目の搬送を実施しました。

 

皆様の多大なるご支援のお蔭で、60代の男性(虚血性心筋症・体外型VAD装着中)を、新潟大学医歯学総合病院 ⇒ 新潟空港 ⇒ 羽田空港 ⇒ 東京の病院に搬送できました

 

成人例だったため、メディカルコントロールはJCCN本部に、搬送チームは新潟大学医歯学総合病院

に担当していただきました

 

今回の症例に装着されているVADで用いられる血液ポンプBIOFLOAT®NCVCは、小型、軽量(血液充填量は16mlで、重量は33g)で、動圧軸受を採用しているため、インペラが外枠であるケーシングに接触することがありません。さらに内面に特殊なヘパリンコーティングを施しているため、抗血栓性に優れています。

この血液ポンプは、現在、長期動物実験と臨床治験を経て、VADの血液ポンプとして30日間の使用を認められた世界唯一の血液ポンプです。今回の搬送に先立って、機内での搭載テストも行っており、駆動装置と航空機の計器に問題となる干渉がないことを確認しています。この血液ポンプは、軽量で抗血栓性が優れているので、ジェット機搬送に適した機器です。
今回は、世界初の本VAD装着患者のジェット機搬送になります。
本症例は、搬送後植込み型VAD(DT)に移行することを計画しています

 

image.png

バイオフロート補助人工心臓セットHC一式

 

11時45分に新潟空港を離陸しました。搬送中、患者の状態は非常に安定していました

 

機内への搬入

機内

飛行機から搬出

 

12時30分に無事に羽田空港に到着しました。その後、搬送先の東京の病院のドクターカーで搬送され、13時57分に無事に搬送先の東京の病院ーに到着しました

 

 

このような搬送を実施できたのはひとえに皆様のご支援のお蔭です

今後とも何卒、ご支援いただきますようお願い申し上げます

 

今回の搬送はVAD駆動装置を安全に移送するために、北海道航空医療ネットワーク研究会(HAMN)御所有のバックボードとストレッチャーラックをお借りして実施しました。このボード類のお蔭で、安全に患者を搬送できましたことをHAMNに感謝申し上げます